コードギアス反逆のルルーシュR2第8話「百万のキセキ」感想:ゼロの詭弁とスザクの偽善
〜コードギアスR2第8話の感想〜
前半:????????(?_?)
↓
後半:……………………。(-_-)
〜第8話の感想 終〜
これは、いくらなんでも……
あっけにとられてしまいました。
コードギアスはもうだめかもしれません。
まさかとんちで解決とは。ギャグですか。
ゼロの大群。「すべてのゼロよ!国外退去だ!」
100万人を特区に参加させる代わりにゼロだけ国外追放処分にするという密約だったはずなのに、
100万人がゼロの服装をして「みんなゼロだから、みんな見逃して」と言い張り、
それに対してブリタニアは皆殺しか皆見逃しかの二者択一しか考えられないとかありえない展開です。
「契約に反してるだろ。そんなの無効。何も提供しないで見返りだけ求めるなよ。みんなゼロですとか、馬鹿じゃないの?」と一蹴すればいいのでは。
それか、とんちにはとんちで、とばかりに「日本人100万人に対してゼロ一人の追放処分の約束だから、ゼロが100万人なら日本人1兆人を差し出せ」と対抗する、など。
ゼロは「『私』を見逃して欲しい」と言ったのだから、ゼロは一人の人間だなどと言っていない、という言い訳は通用しません。
シェイクスピア作「ヴェニスの商人」の「借金返さないなら、担保の胸の肉1ポンドを切り取らせろ」「じゃあ、血を一滴も流さずに、胸の肉1ポンドだけ切り取れ」「そんなの無理!」「じゃあ、借金もチャラね」「そんな!」というやりとりを思い出しました。
今回で特区には何らかの決着は着くだろう、と思っていたのですが、このようなオチとは。納得できません。
こんな作戦に賛成する人々も、納得するブリタニア軍も、理解できません。
「日本人とは何だ?民族とは何だ?言語か、国か、血統か?」「いや、民族とは、心だ!」「心さえあれば、住む場所が異なろうと、それは日本人なのだ!」
無理矢理な演説、詭弁。唖然。
集まった100万人の日本人はこの詭弁に騙されたってことですか……?
100万人にギアスを使って洗脳した、というオチとか言いませんよね。
これに納得する人などいるということが驚きです。
このアニメの世界ではルルーシュが言ったことなら全て通用するのでしょうか。
海外のフォーラムでも" Deus Ex Machina " (「デウス・エクス・マキーナ」 *古代ローマの劇で神という全能の存在をを持ち出して全てを解決してしまうこと、つまり、ご都合主義)であると批判されています。
ルルーシュは天才で策士だから、みんなルルーシュのいうことには納得しちゃうよ、と設定でごり押ししているような感じです。
いくら子供向けアニメとはいえ、ある程度実際のストーリーでそれを表してもらわないと納得出来ませんが、視聴者は「そういう設定だから」で納得できるのでしょうか。
ルルーシュの言う「心」とはなんでしょうか。
国家は「想像の共同体」であるとかベネディクト・アンダーソンやアルチュセールのようなことを言いたいのではないと思います。
ただなんとなく言っちゃった、という感じがします。
深いテーマ性など無く、何か意味ありげなことを言いながら、全てが思いつき、その場限りの発言。
煽動とハイプに満ちあふれています。
言語も、国土も、人種も、文化も「心」や民族意識には何の影響も及ぼしていないと言うのならば、何を持って自らが特定の民族の一員であるという自覚が生まれるというのでしょうか。ナショナリティは国家が作り出した幻想、ということが言いたいのではないでしょうし。(ナショナリズムを否定しつつ独立を目指すというのは矛盾しています)
適当に「心」という抽象的なことを言って誤魔化しているようにしか見えません。
コードギアスはいつも「来週どうなるんだろう?」と引っ張っておいて期待はずれの解決法で作中人物が皆「ゼロすげーーーー!!」といって賞賛するパターン。
「え?何がすごいの?」と視聴者は置いてけぼりです。
余談ですが、EUからあえて兵を引いたシュナイゼルの言った言葉が少し気になりました。
「勝ちすぎてはいけない」「みんな希望を探しているんだよ」
これはブリタニアが日本人に特区という甘い幻想(平等や平和への希望、独立へと繋がるという甘い希望も含む)を見せ、人心を掌握し、その支配体制を強化する、という意味を含んでいるように思いましたが、深読みしすぎかもしれません。
スザクが日本人に命を狙われるシーン。
「生きろ」というギアスに反応して刺客を撃退します。
そして「心の底で死という罰を求めていた僕に『生きろ』とギアスをかけた、そんな君が……」と心の中で言いいます。
スザクの思考回路は以下のようなものでしょうか。
死という罰を求めていた(親殺しに責任を感じていた)
↓
ルルーシュは「生きろ」とギアスをかけた(罰を負う必要はないと言ってくれた)
↓
自分の罪を許してくれた(つまり自分に責任はない)
↓
ルルーシュはいいやつ(自分は罪人ではないといってくれた)
つまり、
「ルルーシュが『生きろ』とギアスをかけてくれた。
いままで父親ごろしに悩んできたけど、別に自分が死ぬ必要なんでないよね。もう『過去のこと』だし。
俺のせいじゃないし。親父が悪いんだし。俺は日本人のためにしたんだし。
俺の罪じゃないよね。ルルーシュは分かってくれた。
ルルーシュのおかげで死にたい気持ちが消え失せたよ。
ルルーシュのおかげで生きていけそうだ。
ルルーシュありがとう!(でもユフィを殺されたから、おまえは殺すけどね!!)」という気持ち?
結局、自分の死にたい気持ち(自責の念)を消してくれたからありがたいということでしょうか。
自己肯定出来るようにしてくれたから。
スザクはルルーシュが「生きろ」とギアスをかけたことや、ユーフェミアがスザクのことを好きだと言ってくれたことを、自分の親殺しは罪ではないと認めてくれたと思いこんでいる気がします。(今回も「分かってくれた人がいる」といっていましたが、スザクはユーフェミアに取り繕った顔しか見せていません)
スザクがルルーシュを本当はいいやつだと思うのは、スザクがユーフェミアを好きなのと同じ理由です。
自分に都合のいいことを言ってくれるから。
それはお前の罪じゃないと言ってくれるから。
それだけです。
そのあと、スザクは自分を暗殺しようとした日本人の死刑執行書類にサインしろと求められます。
スザクは一瞬躊躇したが、アーニャが替わりにサインしたので、そのままそのことは忘れ去りました。
私はスザクが躊躇したのは、自分の境遇(「日本の為」に父親を暗殺した)に重ねて、何か思うところ(自分が侵略者に国を売り渡した責任など)があったのかと思いましたが、どうも違ったようです。
スザクは「自分が」手を下すのが嫌だっただけです。
自分が殺すのが嫌だった。
自分の手を汚したくないだけ。
アーニャが責任を被ってくれた後はもう忘れ去っています。何事もなかったかのように。
自分ではない誰かが死刑執行書類を書いてくれ、誰かがサインしてくれ、誰かが死刑執行命令を出してくれ、誰かが殺してくれる。
誰かが罪を被ってくれる。
自分を襲った者のことなど、あの後一切思い出しもしなかったでしょう。
日本の為を思って権力者を暗殺というのは過去に自分もしたことです。
自分のときは「仕方なかった」と正当化して(今でも)、自分がされたときは「ルール違反」(侵略者が作ったルールの押しつけ)であっさり死刑。(自分はブリタニア軍人だからいくら日本人を殺しても「ルール違反」ではない。もちろん自分はルルーシュを殺してもいい。大切な人を殺されたから。でも大切な人をブリタニア軍に殺された日本人は俺やブリタニア軍人に復讐しようとしたら死刑。ブリタニア支配を打倒する為に暗殺しようとしても死刑。なぜなら「ルール違反」だから)
見事な二重基準ぶりです。
私にはスザクの思考回路が全く理解出来ません。
暗殺者を死刑にするのなら、自分も過去の暗殺の罪を世界に公表するべきです。
スザクに人を裁く資格などありません。
その他気になったスザクの迷言集
「行政特区日本に協力する!?だからって、お前の罪は消えない!」
自分の罪は?(父殺し・日本人殺し・売国・侵略など)
「ユフィもナナリーも許そうとしていた」(だから自分も許すべきだと思う)
結局、誰かを憎むのも、許すのも、他人の判断頼りなのでしょうか。
「約束しろ。彼らを救ってみせると」
皆殺しにする気満々だったくせに、しらじらしいにも程があります。
その他のルルーシュの迷言
"EUPHEMIA" と書いたろうそくを川に流して
「区切りは済ませた。ここに未練は無い」
ろうそくを流しただけで贖罪した気分ですか。手軽ですね。
ルルーシュは何千、何万もの名前の書かれていないろうそくも流すべきです。罪は水には流せませんが。
意味不明のロイド語録
「スザク君が助けたこの100万人、誰も感謝はしてくれないよね」
スザクが助けた?虐殺しようとしていたのに?感謝?皮肉?
ロイドは1期ではスザクの偽善と矛盾をつく場面もあったんですけどね。
行政特区設立の式典はブリタニアにとっても重要なことのはずなのに(しかも過去虐殺というブリタニア側の不祥事があった)現場に来ている上の者がナナリーとスザクとジノとアーニャだけ。
こんな頭の足りない子供たちに全て任せておくとは、ブリタニアは何を考えているのか。(皇帝は失敗するのを見越しているみたいですけどね)
ナナリーのお付きの人はすぐにかっとして銃を乱射する考え無し。
スザクは虐殺か屁理屈を認めるかしか考えられない頭の持ち主。
ナナリーは怯えるだけの無能な支配者。
ジノとアーニャは傍観するだけの無責任者。
こんな上司たちに服従しなければならないブリタニア兵は哀れです。
兵士達は「ええええええ〜〜〜!!そんな馬鹿みたいな言い訳で納得するの!?」と思っていたのでは。
それとも「やられた!そんな手があったとは!」とでも思う単純な人ばかりなのでしょうか。
冷静に却下すれば済む話だと思います。
ブリタニアには全く話し合いをしようという意思がありません。
今週のスザクの迷言2。
「ゼロを見逃すということは、許せというのか?お前ごと、100万人を…」
この100万人に罪はあるのでしょうか。(黒の騎士団だけではなく、一般の日本人が大多数でしょう。彼らが何をしたというのか)
「黒の騎士団が居なくなれば、エリア11は平和になる。ナナリーの手を汚すこともなくなる」(平和になりますかね……しかも「手を汚す」ということは全員死刑にでもする気だったのでしょうか。共存する気などまるでありませんね)
スザクは「見逃せ」か「ゼロを殺せ」と命令するかで葛藤していますが、「ゼロを殺せ」=「全員虐殺」などあり得ません。
そんな選択枝が存在するスザクの頭はどうなっているのでしょうか。
変な理屈で、みんな納得……って絶対おかしいです。
最後の船に乗ってみんなが「俺達はやったぜ」とでもいいたげな満足げな表情をしているのは何なんでしょう。
ただ日本を追い出されただけに見えます。
これで中華連邦へ、というストーリーなんでしょうか。
なんの為に日本を捨て、中華連邦へ行くのか。分かりません。
もう何がしたいのか全く分かりません。
話についていけません。
これで最終回(打ち切り)のような終わり方でした。
「俺達の反逆はまだまだこれからだぜ!〜終了〜」みたいな感じです。(そういえば、第9話の予告もありませんでしたね。終わるのでしょうか?)
なんですかこのむりやり大団円感は。
なにも解決していないというのになぜ皆やり遂げたかのようなすがすがしい笑顔をしているのでしょうか。
解せません。
今回の話は、ルルーシュがナナリーと生徒会の人々という支配者階級の為に「邪魔者」の反乱分子を排除した、ということでしょうか。
ナナリーにとって支配しやすい都合のいい世界を作るために。
しかし、誰も今回の行政特区には参加しなかったみたいですし、ナナリーやスザクは今回の失敗で権限が弱くなるのではないでしょうか。(もともとただの皇帝の下僕に過ぎない総督ごときにたいした権限はありませんが。ナナリーもお付きの人に「総督は王様ではありません」と戒められていましたね)
反乱分子がいなくなったとしても特区失敗は目に見えています。
侵略しておいて、平等な世界にしますとかみんな仲良くしましょうね、とか言える神経が分かりません。
なぜ侵略者と共生しなければならないのか。侵略者に植民地にされていること自体が不公平で不平等なことではないのか。
日本は重要資源であるサクラダイトの採掘権も奪われています。(これはナナリーが総督となっても変えることは出来ないでしょう。その為に侵略したようなものですし。)
侵略し、支配し、資源を不当に搾取し、どこがどう「平等」なのでしょうか。
仮に特区内で日本人がブリタニア人と平等な取り扱いを受けたとしても、それは平等などではない。
ブリタニア支配のもとでの日本人とブリタニア人の真の平等などありえない。
不当に支配されている、そのこと自体がすでに不平等であるからです。
「平等」などときれい事を言うのなら、まず支配をやめ、本国撤退してから言うべきでしょう。
日本人は「優しい支配」など望んではいません。
被支配者に寛容な政治をする支配者は決して「優しく」などない。
ナナリーやスザクが「優しい世界」を作りたいと言い、自分のことを「優しい」人間だと思っているのは、大変な思い上がりだと思います。
今回、ルルーシュは「ブリタニアによるまやかしの支配は否定する」と言っていましたが、ナナリーの特区を壊す気は無い様子。
特区はそのままで本国を壊滅させる気なのでしょうか。それだと皇女であり総督であるナナリーは身の危険に晒されると思うのですが。
今回はつっこみどことが多すぎて長く書きすぎてしまいました。計測してみたところ、5740文字でした。
来週は「アキバで対決!コードギアス祭!!」らしいです。言葉もありません。
もしかしたら、ネタとして見るかもしれませんが。
こんな変な特別番組を挟まれたら、再来週見逃してしまいそうです。
再来週も見るべきかどうかも迷いますが……(今週は「引き」が弱いですし、どうも予告が無いと見る気が削がれます)
やはり、ルルーシュの(スザクの)最後を見届けることにしましょう。
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